呼吸器内科
気管支ぜんそく
「気管支ぜんそく」とは?
アレルギーやストレスによる炎症で、気管支や気道といった空気の通り道が狭くなる病気です。
一度炎症が起こると、気道が狭いままで元に戻らなくなったり、再発しやすくなるため、早めの治療と継続的なコントロールが大切です。
症状
気道の粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなるため、呼吸をすると「ぜーぜー」「ヒューヒュー」と音(喘鳴)が鳴ったり、発作的に痰や咳、息切れが出ます。
症状が悪化すると、呼吸困難になり、死を招くこともあります。
検査・治療
肺機能検査では、呼吸機能や肺年齢を調べるほか、胸部レントゲンにより、肺に異常がないかもすぐに分かります。
治療は、ぜんそく症状をコントロールする薬と発作止めの薬を使います。
自分の判断で薬をやめてしまうと、一気に症状が悪化することがあるため、ドクターと一緒にぜんそくコントロールをしていきましょう。
ワンポイント
気管支ぜんそくは再発・再燃の多い慢性の疾患です。症状がなくなっても気管支の炎症が続いていることが多く、治療を急にやめるのではなく、徐々に減らす(ステップダウン)ことが大切です。
また、ぜんそくコントロールテスト(ACT)で自分の状態を把握することも大切です。気管支ぜんそくをよく知り長く付き合うことが将来的に悪化させない秘訣になります。
咳ぜんそく
「咳ぜんそく」とは?
気管支や気道が狭くなり、咳が慢性的に続く病気です。
温度差やほこりなどのハウスダスト、たばこの煙が咳発作を引き起こします。
1年以上咳が続くこともあり、30%の方は気管支ぜんそくへと悪化します。
症状
風邪は治ったのに咳が2週間以上続く、夜中から明け方に咳が出る、温度差やたばこの煙で咳がとまらなくなる、こんな方は咳ぜんそくの疑いがあります。「ぜーぜー」「ヒューヒュー」というぜい鳴や熱は伴わず、しつこい咳が特徴です。咳のしすぎで胸痛や嘔吐を起こしたり、声が出にくくなる(嗄声)こともあります。
検査・治療
ぜい鳴がないか聴診します。肺機能検査で呼吸機能を、血液迅速検査や胸部レントゲンで肺炎などにかかっていないか、すぐに調べます。
治療は、抗アレルギー薬をメインに飲み、症状に改善がない場合は、吸入薬を使うこともあります。
咳ぜんそくは非常に再発しやすいため、完治するまできちんとフォローします。
COPD (慢性閉塞性肺疾患)
「COPD」とは?
たばこなどの有害物質を吸うことで、空気の通り道である気道が狭くなり、肺胞が破壊される病気です。
正常な肺はスポンジのような構造をしていますが、COPDではヘチマの様に大きな空洞ができ、息切れや痰・咳が現れます。
日本での患者数は推定500万人、喫煙者の20%はかかっているとされ、日本人の死亡原因第9位です。
症状
咳や痰、息切れが出やすくなります。
症状が悪化すると、日常生活に支障をきたすほどの呼吸困難が起こり、呼吸不全や心不全につながります。
いったん狭くなった気道は戻らないため、早めに治療を行うことが大切です。
検査・治療
肺機能検査と胸部レントゲンで肺の状態を調べます。
治療の第一歩は禁煙です。当クリニックでは、禁煙外来をおこなっています。喫煙中の方はぜひご相談ください。
また、運動療法で呼吸機能の低下を防ぐほか、気管支を拡げる薬や咳や痰を抑える薬を飲むこともあります。
体の酸素濃度がひくく、息苦しさがある場合には、在宅酸素療法で十分な酸素を取り込むようにします。
ワンポイント
禁煙をすることでCOPDの発症を抑えるとともに、肺癌のリスクも減らせます。禁煙を20年続けると吸わないヒトの肺がんリスクと同じになります。
私も30歳で禁煙したので、肺がんリスクは吸わないヒトと同じになりました。